弾けることを大切にすること

 

おかげさまでヤマハでの月一回の特別レッスンも無事に一年を過ぎ、京都では個人レッスンも続けさせてもらっています。皆さんギターに対する情熱があって、教える方としても学ぶことが多いです。

 

さて、レッスンの目的は言うまでもなく上手になることなのですが、それをうまく次につなげるときに大切なことは「弾ける自分を大切にすること」だと感じています。

 

ギターに限らず、芸事というのはなんにせよ、極めることを目指せばそれは果てしない山脈を登り続けるということと似ていて、終わりがありません。

 

その中で常に意識してもらいたいのが、今出来ていることを大切にすることです。

 

どんな大きな山でも、毎回海抜0メートルから登っていたら大変です。

でも、登って、休み、登って、また休み。という繰り返しをしながら登っていたら、

いずれ山頂は見えてきます。

 

僕も現在クラシックギターという大きな山脈に挑戦していて、その中で出来ないこともたくさんあり、もがくことも多々あります。

でも、途中で息切れしないように、ちゃんと自分の登ってきた場所を確認しながら、次へと進んでいこうと思っています。

 

話は変わりますが、大学のころ、実は僕は「山の会」という山岳サークルに所属していました。

その山の会の先輩にまさに山男がいました。通称ノムさん。

ノムさんは山が恋人みたいな人で、どんな山でも一番大変なルートで登ります。

引率される僕ら後輩はもういつもヘトヘト。登山口まで車でいける道路があるのに、

「そんなの邪道よ!」と言わんばかりに、当然のように登山口まで歩くルートをしっかり歩かされました。

 

そんな山ではめちゃ硬派なノムさんは、下界でも風呂なしのアパートに住み寝袋で寝るという、昭和の山男を地で行くような生活をされていました。

 

ノムさんとは卒業してからしばらく音信不通でしたが、何年か前に南米の最高峰のアコンカグア(6960m)に単独で登ったそうです。

 

無事でなによりです。