なにやら難しそうなタイトルですが、意味はカンタン。
「日常のなかで過ごしている時間と音楽を奏でるときの時間の感じ方は異なる」
ということです。
それはつまり音楽家は「時間をどれだけ美しいものに出来るか」ということです。
先日、僕のクラシックギターのマエストロ(師匠)藤井眞吾先生のレッスンのあと、
先生と話していたことなのですが、
音楽家は時を夢に変えるマジシャンのような存在、
その夢を現実にするためにはあらゆる注意と努力を捧げなければならない、という話になりました。
眞吾先生は基礎練習を重視されます。
これが本当に奥が深いもので、この基礎練習だけで一日過ごせるほど。
そしていざ曲を演奏するとき、その曲の調べを最大限に活かす。
クラシックの世界というのは本当にストイックでストリクト(厳しい)世界なんだなと改めて感じました。
僕たちはいま一日24時間、一分60秒という限られた時間のなかで生きています。
しかし、音楽はその時間を越えて響きわたるべきもの。
「時間を忘れるほどの〜」という例えがありますが、
演奏家は聴いて下さる人に「時間を忘れるほどの音楽」をお届けするのが使命。
そのためにあらゆる練習が必要になります。
終わりのない答え合わせのような気がしますが、
音楽家にとって時間を越える演奏をすることは最上の喜びのように思います。