One Note Samba

カラ梅雨かと思われた今回の梅雨ですが、しっかり雨が振りましたね。

 

こうフェイント的に降られると、ありがたいやらありがたくないやら…。

 

京都の梅雨はとっても湿度が高いですが、こんな時期ボサノバを聞くとホンの少し体感温度が下がるような…。

 

今日はそんなボサノバに関する思い出を一つ。

 

東京に住んでいた頃、岡崎倫典さんのギター教室に通っていました。

岡崎倫典さんは日本を代表するアコースティックギタリスト。まだアコースティック・ギターによるソロギターなるものが一般的に認知されてない頃から、ソロギターを演奏し続けこられた、いわば日本のソロギターを黎明期からずっと支えて来られた偉大な方です。

 

その岡崎先生の教室(新大久保のクロサワ楽器)での一コマ。

先生が ご自身のI-Podから取り出されたのがこの曲↓

 

ボサノバの代表曲の一つ、「One Note Samba」、ということは当時の僕は全然知らずに、「うーん綺麗な曲だなあ」とのんびり聞いていると、先生が

 

「はい、コレ耳コピしてみよっか…」(岡崎先生)

 

「え?」(僕)

 

耳コピつまり、楽譜なしで、耳で聴いただけで、この曲のコード進行を弾いてみよ!とのご使命。

 

当時僕はまだテンションコードなるものを全然知らなかったものですから、「いや、無理っす!」という心の叫びを必死にこらえながら、耳をガンガンに澄まして、「音当てクイズ」を続けていきました。。

 

コードというのは様々な音が一度に鳴り響くことで、その「様々な音」の一つ一つを聞き分けていかなくては「耳コピ」は完成しません。

 

何回も何回も、繰り返し聴いて、先生のアドバイスに助けられやっと一小節を完成。

そして、次の小節へ。再生時間にしてほんの数秒という単位で、なんと多い音の数が使われていることか。そして、その一つ一つの音がなんと美しく響き合っていることか。

 

「耳を」タコにしながら、指板の上を何度も迷いながら、なんとかイントロ部分は完成、という時に気づけば一時間のレッスンが終わっていました(笑)

 

ギターは6本の弦しかありません。どんなに頑張っても一度に6個の音しかでません。(ピアノは両手を使えば10個の音、ましてやペダルを踏み続ければ何個でも音を積み上げられますよね。)

 

しかし、6本の弦だけでも、とっても豊かなコードを奏でることが出来るのだということを身をもって教わった貴重な体験でした。

 

アコギマガジンで田中彬博さん(アッキー)とアメリカのギタリストAndy Mckeeが対談上、Andyがあのマイケル・ヘッジス(アコースティックギタリストのカリスマ的存在。1997年没。)の曲をコピーために2秒ごとにCDを進めていって、何度も耳をすませていくことでやっと曲をコピーすることが出来たんだ、と語っているように、「ほんの数秒」という単位が音楽家にとってどれだけ大切かということが分かります。

 

コードって奥深いな!

 

 

というお話でした。

 

 

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コメント: 2
  • #1

    strona www (火曜日, 31 10月 2017 21:35)

    Kostrzeszyn

  • #2

    sex telefony (火曜日, 31 10月 2017 21:49)

    cywilbanda